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バリデーションの15のテクニック

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バリデーションの15のテクニック

geralt / Pixabay

バリデーションには、15の具体的なテクニックがあります。それらを本気で学ぶ場合は、ナオミ・フェイルが代表理事をしている「バリデーション国際協会」による約1年にもおよぶ研修を受け、一定レベル以上の実力を示すことで得られる資格(バリデーション・ワーカー)を目指すことになります。

この15のテクニックを、以下に示します。資格を取るのは難しくても、少しずつでもバリデーションを学んでいきたいものですね。なお、この内容は、参考文献を参照しつつ KAIGO LAB が整えたものになっています。気になる場合は、原典をあたってください。

テクニック
内容
1. センタリング(精神集中) 介護者は、下腹部に意識を持って行き、ゆっくりと時間をかけて呼吸する(瞑想)。自分の中から、怒りやイライラの感情を追い出す。これにより、相手の感情を理解することに集中できるようになる。
2.(相手の)好きな感覚を用いる 「視覚」「聴覚」「嗅覚」などの中に、とくに好きな感覚があります。相手がよく使う言葉(きれい/いい音/いい匂い)に注目し、その感覚を思い出せるような話題をふる。
3. オープンクエスチョン 介護者は「はい」か「いいえ」で答えられる質問はしない。「いつ」「どのように」「どこで」「誰が」「何を」といった、相手の話が広がっていくような質問をする。「なぜ」と聞くときは、「なぜ、そんなことをしたの?」というような、相手の非難にならないように注意する。
4. リフレージング(相手の言うことを繰り返す) 介護者は、相手がいうことを繰り返す(例「人形がなくなったの」→「人形がなくなったんですね」)。声の大きさ、抑揚なども同じにする。
5. 極端な表現を使う 小さなことからでも、極端なケース(最高、最低など)をイメージさせることで、感情を内側にためこまず、表現しやすくさせる(例「背中が痛いの」→「これまでの人生で、一番痛いの?」
6. 反対のことを投げかける 反対のことを想像させることで、ネガティブなことをポジティブに変える(例「誰にも会いたくない」→「昔は、誰かに会いたかった?」)
7. レミニシング(思い出話をする) 悩み事がある場合は、相手の過去の中から、教訓を引き出す(例「イライラする」→「昔、イライラしたときは、どうしていましたか?」)
8. アイコンタクト 認知症の人は視界が狭くなっている。目線の高さを合わせる。距離をとって、前からゆっくりと目を見て近づく。表情もできるだけ明るく、相手への愛情が伝わるように。
9. 曖昧な表現を使う 相手が言っていることがわからない場合、「それ」「あの人」「あそこ」といった曖昧な表現で返事をすることで、コミュニケーションを維持できる(例「$%&#$%#」→「それは、面白かったですか?」
10. はっきりと、低く、優しい声で話す 聞き取りやすく、落ち着いたトーンを意識して話をする。はっきりとしゃべる。怒りやイライラの感情に囚われて、それを声に反映させないようにする。
11. 相手の身体に触れる 認知症の人は「視覚」「聴覚」が衰えることで、孤独を感じやすくなっている。そうした相手の身体に優しく触れることで、近くにいる他者の存在を伝える。触れられることを嫌がる場合は、無理に触れない。
12. キャリブレーション(相手の感情を真似する) 相手が怒っていたら、一緒に怒ってあげる。悲しんでいたら、一緒に悲しんであげる。嬉しそうだったら、一緒に喜ぶ。感情を合わせることで、相手の気持ちが理解できるところまで行けることもある。
13. 音楽を使う 話が止まってしまったら、相手の好きな歌を一緒に歌ったり、好きな音楽をかけたりすることで、言葉を取り戻す。
14. ミラーリング(相手の行動を真似する) 相手が歩いたら介護者も歩き、ため息をついたら介護者もため息をつく。行動を合わせることで、感情も合わせていく。
15. 行動に意味を与える 繰り返している行動に注目する。それを、先の欲求の11項目のどれかを満たすための行動として意味を与える。たとえば、ちり紙を何枚も引き出しているのを見たら「ちり紙に触っていると、なんだか嬉しい気持ちになりますね」という具合。

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