介護業界でのAI活用 九州介護AI活用
そもそもAI(人工知能)とはなにか?
AIとは人工知能(Artificial Intelligence)のことで、人間の知能がもつ学習、推論、問題解決などの能力を、コンピューターやロボットなどの人工物に備えさせようとする技術や研究分野を指します。最近ではディープラーニングと呼ばれる機械学習の手法の発展により、画像認識や自然言語処理などの分野で人間並みの高い性能を発揮するようになってきました。
介護業界の現状・課題
介護業界では、主に以下の3つの大きな課題に直面しています。
人手不足
介護の仕事は大変な労働を強いられるうえ、給与が低いため人気が低く、働き手が足りない状況です。高齢者が増えるなか、介護を必要とする人は年々増加していますが、介護職員の数が追いついていないのが実情です。
介護の質の維持・向上
高齢者一人ひとりに合った適切な介護を提供するのは容易ではありません。介護職員の腰痛などの労働災害や、認知症高齢者への対応の難しさなどから、介護の質を維持・向上させることが課題となっています。
介護のコストの増加
介護サービスを提供する施設を建設したり、人件費をはじめとする運営コストがかさむことから、国や自治体、介護事業者の財政を圧迫しています。質の高い介護を提供しつつ、コストを抑える工夫が求められています。
このように、人手不足や質の維持、コストの問題など、介護業界が抱える課題は山積しています。AIの導入によって、これらの課題を少しでも解決できると期待されているのです。
年々増加する介護難民
介護難民とは
介護が必要な状態なのに、十分な介護サービスを受けられずにいる高齢者のことを「介護難民」と呼んでいます。具体的には、認知症が進行した祖父母を自宅で介護するのが困難になったり、施設入所を希望しても空きがなくて入れないなどの状態を指します。
介護難民増加の背景
介護難民が増えている最大の理由は、高齢者が急増する一方で、介護の仕事をする人手が足りないことにあります。日本では年々高齢者が増えていますが、介護職員の数は追いついていないのが実情です。
また、介護施設の数も足りず、東京など人口が集中する都市部では、入所を希望しても空きがなく、介護難民になってしまうケースが多いそうです。
介護難民地域偏在の問題
一方、地方の田舎の地域では、介護施設に余裕があり、受け入れ可能な状況だと言われています。しかし、介護が必要になった高齢者は、昔から住み慣れた地元を離れたくないと考えるため、遠方の施設に入所するのは難しい面もあります。
このように、都市部と地方で介護サービスの需給ギャップが生じているのが、介護難民が増える大きな要因なのです。
平均寿命は伸びつづけている
昔に比べて、人の平均寿命が長くなっている理由は次の3つが大きいと言われています。
- 上下水道など、生活環境が衛生的になった
- 病気になっても、高度な医療を受けられるようになった
- 栄養が足りた食生活ができるようになった
このおかげで、赤ちゃんの頃から長生きできる環境が整ってきたのです。
健康寿命への関心
ただし、長生きできるようになっただけでは意味がありません。最期まで健康で、自分の力で動き回れる期間が重要だと考えられるようになりました。この「健康で自立できる期間」のことを健康寿命と呼びます。
単に長生きするだけでなく、健康寿命をいかに長くできるかが課題となっています。そのためには、医療や介護の役割が重要になってきます。
社会全体で健康寿命を延ばす取り組みが必要
高齢者が増えれば、介護が必要になる人も増えます。一人ひとりの健康寿命を伸ばせるよう、社会全体で医療・介護の充実を図る必要があるのです。