令和6年4月から介護報酬改定が実施されます。今回の改定では、居宅介護支援に多くの変更点があります。ケアマネージャーさんにとって重要なポイントを分かりやすく解説します。
1. 特定事業所加算の見直し
- 算定要件の変更:
- 主任介護支援専門員・介護支援専門員の常勤要件は据え置きつつ、他種務が認められる
- ヤングケアラー・障害者・生活困窮者・難病患者等への研修参加が加算要件に追加
- 運営基準違反による減算が廃止
- 加算単位数の増加:全ての区分で14単位増加
2. ケアマネ1人当たりのケアプラン取り扱い件数の変更
- 現行:35件
- 改定後:44件
3. 報酬低減性の適用開始件数の変更
- 現行:
- 40件(ICT機器活用・事務職員配置の場合:45件)
- 55件(介護予防支援費2による低減緩和措置適用の場合:60件)
- 改定後:
- 45件(ケアプランデータ連携システム活用・事務職員配置の場合:50件)
- 50件(介護予防支援費2による低減緩和措置適用の場合:55件)
4. ケアプラン中の各介護サービス割合説明義務の緩和
- 現行:義務
- 改定後:努力義務
5. 同一建物ケアマネジメント減算の導入
- 減算対象となる場合:
- 利用者が居宅介護支援事業所と同一建物・同一敷地・隣接敷地の建物に入居している
- 20人以上の利用者が居住する建物に利用者が入居している
- 減算率:5%
6. 入院時情報連携加算の改定
- 情報連携期限の短縮:
- 加算区分1:入院当日(従来:3日以内)
- 加算区分2:3回以内(従来:7日以内)
- 加算単位数の増加:
- 加算区分1:250単位(従来:200単位)
- 加算区分2:200単位(従来:100単位)
7. 同席加算の対象拡大
- 現行:医療機関の意思による診察時の同席
- 改定後:歯科医療機関の歯科意思による診察時の同席も対象
8. ターミナルケアマネジメント加算の見直し
- 対象疾患の拡大:末期の悪性腫瘍だけでなく、回復の見込みがないと診断されたものも対象
- 加算単位数:400単位(据え置き)
9. 特定事業所医療介護連携加算の算定要件変更
- 現行:前々年度の3月から前年度の2月までのターミナルケアマネジメント加算を5回以上算定
- 改定後:15回以上算定
10. BCP・高齢者虐待防止措置の義務化
- BCP:令和6年4月から完全義務化
- 未実施の場合:基準違反、1年経過後1%の減算
- 高齢者虐待防止措置:令和6年4月から完全義務化
- 未実施の場合:基準違反、1%の減算
- 具体的な要件:対策検討委員会の定期開催、職員への周知徹底、虐待防止指針の整備、虐待防止研修の定期実施、虐待防止担当者配置
11. 身体的拘束の記録義務化
- 緊急かつやむを得ない場合にのみ実施
- 理由と実施状況を記録
12. 主治医の指示確認の明確化
- 訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションをケアプランに組み入れる場合
13. モニタリング方法にオンライン会議追加
- サービス担当者会議での合意と利用者・家族の同意が必要
- 少なくとも2ヶ月に1回は利用者の居宅を訪問して面接
14. テレワークの明文化
- 個人情報管理と利用者対応に支障が生じないことを前提に認められる
15. 特別地域加算等への過疎地域追加
- 特別地方創生法で規定する過疎地域が対象に追加
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補足:
- 詳細は、厚生労働省のホームページ等でご確認ください。
- 本情報は、2023年12月21日時点のものとなります。